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「マスコミの中立性」

テレビのスイッチを入れたら、中国で保育園児姉妹が毒入りヨーグルトを飲んで死亡した事件を放映していた。それによると、近くに保育園が二つあり、園児の獲得競争が過熱して起こったことのようである。二つの保育園の間では、これまでもしばしば嫌がらせなどがあったとも伝えられている。
 
この放送の中でアナウンサーが「日本では考えられない教育者の幼児殺害事件・・・」とコメントしているのを耳にし、なぜか分からぬ違和感を感じたことであった。
 
夜になって寝床に入ったが、寝付かれぬままいたらその時の違和感の正体は「日本では考えられない・・・」と決めつけたコメントにあったのだと思い至った。
 
保育園の園長が、幼児の通園路に毒入りのヨーグルトの瓶を置くことは、常識では考えられない卑劣な犯罪であることは間違いない。
 
しかし、「日本では・・・」という言葉の裏には、ことさら中国人一般を貶める気分が感じられるが、私の思い過ごしであろうか。
幼児毒殺は聞かないまでも、教師の猥褻事件や万引き、窃盗、PTA積立金流用などは、わが国でもしばしば発生している。
 
最近のマスコミ報道では、この事件に限らず、中国国内の凶悪事件や地方官僚の汚職や腐敗など、中国に対するイメージを悪くするニュースがしばしば伝えられているが、人命救助や弱者救済など美談に類する記事は見当たらない。そのような話は事実ないのか、マスコミが取り上げないのか分からないが、人口十三億といわれるのだから皆無というのでは無いかと思われるが、どうだろう。
 
マスコミは先入観無く、社会事象を客観的に報道している筈で、他に情報を得る手段を持たない私などは、今日伝えられているニュースに、誤りや偏向は無いものとして受け取ってきているが、それで良いのか、どうも気になってきた。
 
国民一般大衆は、私と同様にマスコミの伝えるニュースのみによって、国内外の現状を知り、その都度それぞれの善悪好悪の感情を抱くものと思われる。
 
世界中の交流が激しく行われ、それによる摩擦も避けられない今日、相手国や他民族に対する誤った先入観ほど危険なものはない。
何の力も術も持たないわれわれは、マスコミが今まで以上に中立公正な報道に心がけるよう願うのみである。
 
(平成二十五年五月五日)

ramtha / 2013年8月16日