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「選挙制度を考える」

師走も間近になり、街行く人も木枯らしに舞う落ち葉のように身をすくめ、忙しげにしていると言うのに、政界では突如として解散風が吹き初め、野党代議士達は国会審議を放り出してそれぞれ地元選挙区に帰ったり、所属政党を鞍替えしているとも伝えられている。
国の選良としてのプライドもないのか、なりふり構わぬ行動はみっともない限りである。こんなとき、議員諸侯に品性の向上を求めても無理なことであろうが、彼らの無節操な行動の要因の一つは、現行の小選挙区制度にあるのではと考える。この機会に選挙制度について考えてみる。
一票の格差が問題とされて久しいが、衆議院では0増5減でとりあえずお茶を濁してはいるが、人口の都市集中は今後も続くと思われるので、たちまち再度修正が必要となるに違いない。とすれば人口の増減に応じ四年ごとに自動的に修正される方法は無いものかと思われる。そもそも、議員定数と選挙区割りを当事者である議員に任せていては、公正妥当かつ速やかな結果を得られない事は、今までの経験で明らかである。では、その作業を誰にしてもらうか、これが難題である。
また参議院不要論もあるが、今日のように衆議院と同じ政党によって構成され、毎度衆議院と同じ審議結果となっているようでは、参議院の存在価値は無い。
財政困難な折から参議院を廃止し一院制とすることも考えられる。しかし衆議院の審議は、時の最大政党の支持する内閣の政策をいつも承認するだけで、議会のチェック機能が失われることになりはしないか。それを考慮するとなると、衆議院の政党とは異なる議員構成の参議院がやはり必要ではないかと思われる。ここでまた参議院議員の定数と、どういう方法で選ぶべきかが問題となる。
また。別の角度から考えてみる。
今日国会で審議される事項は、外交、防衛など国の存立に関する問題から、医療、育児、困窮者支援など国内の細々とした事まで多岐にわたっている。したがって国会議員は、それらすべてに対応する知識と能力を備えていなければならないことになる。しかしそのような万般の知識を備えている人などまずいないに違いない。
ところが国政選挙では、そうした顧慮なく行われている。選挙戦では選挙民の要望に応えることが何よりも重視されるから、立候補者は国民生活の細々としたニーズに応えることの実現を公約に掲げることとなる。
その結果、内政については深い造詣を有しているが、外交防衛などについては素人並みの議員が少なくない。こんなことでは国の将来を託することに不安を感じざるを得ない。
そこで今日の衆参二院制度を改め、国内政治を審議する会員と、外交、防衛など対外事項と、財政、司法など国政の根幹に関わる事項を審議する上院との二院制にしてはいかがなものであろうか。
現行制度では総理大臣は国会議員の選挙によることとなっており、概ね最大多数の衆議院議員を有する政党の党首が選ばれているが、総理大臣は国を代表して国際的首脳会議に出席する立場にあることからすれば、上院議員の選挙によるべしという考えもあるが、内閣全般を統括し責任を持つことから考えれば、かつて中曽根さんが提唱していたように、国民の直接投票によることも考えられるのではないか。いる。
以上老骨の頭を絞ってみたが、賢明なる諸兄のご高説を賜りたいと思っている。
(平成二十六年十一月二十日)

 

ramtha / 2015年5月3日