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「ホットマネーとクールマネー」

今日の毎日新聞の「経済観測」欄に田中直毅氏が表題の一文を掲載している。中国経済の現況を窺う参考になるかと思い、その要旨を書き留めることにする。

(前略) 中国の個人投資家は投資口座で借金を増やしつつ株式投資を続けている。なにしろ新華社を始めとした政府当局の意向を反映するメディアが、株式市場の先行きについて楽観論を流し続けるのだ。乗らなければ機会を失う、との受け止め方が今日なお圧倒的だ。
株式市場を使った資本調達によって、負債減額を図ろうとする国有企業が相次いでおり、政府はこれを支援するがごとくである。

産業界では重工業を中心に過剰能力の解消のメドは全く立たない。このため工場出荷価格は下落を続ける。にもかかわらず、株式購入への投資家の意欲は盛り上がりを続ける。

こうしたホットマネーと全く別の顔を見せるのがクールマネーだ。これが資金の海外流出に反映する。2015年1~3月期の経常収支の黒字幅は790億ドル(約9兆4,800億円)に達した。過去5年で最大の黒字幅である。その理由は、生産の不振とエネルギー等の価格下落による輸入額の落ち込みである。

しかし、同期の海外収支赤字は800億ドルに及んだ。過去最大の1,590億ドルの資金の海外流出があったからだ。この資金流出をホットマネーと区別してクールマネーと名付けるならば、この2種類のマネーはどこでつながりどこで切れるのか。

ホットマネーは外への持ち出しが難しい資金だ。これに対してクールマネーは対外送金を可能とする仕組みの利用者だけに許容されたものと言える。(後略)

これを見ると中国政府は、経済の伸び悩みに対する国民の不満をそらす手品を使い、党や政府の首脳部は自らの資金保全のため、海外へ資金移動させているのではないかと思われる。言うならば政府主導で、国民大衆を欺瞞する前代未聞の詐欺が行われているのではと思われる。

その結果、いつ破綻しようと他国のことだからと高見の見物と済ましているわけにはいかない。中国の混乱による難民が日本語めがけて押し寄せてくるに違いない。何しろ十三億の人民だ。その影響は計り知れない。

我々庶民にはどうしようもないことだが、政府当局者は、今から最大限の対策にあらゆる知恵を絞ってもらいたいものである。

(平成二十七年五月二十六日)

ramtha / 2015年11月17日