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「戦後世代のリーダー」

今朝の毎日新聞に柳田邦男氏の「恐怖の現実感喪失の危機」と題する一文が掲載されていた。共感するところがあったので、子孫のために書きとめておく。

(前略)六月二三日の沖縄慰霊祭の日にテレビ各局の報道を追っていたら、ハッと気づかされた一コマがあった。慰霊碑の前でインタビューを受けた女子高生が「私たちはあの悲惨な戦争で生き残った人たちから直接話を聞ける最後の世代なので、しっかりと受け止めなければならないと思います」と語ったのだ。

私も小学校三年の時に空襲の恐怖を体験した者として、今のうちにもっと語らねばならないと痛感したのだ。

そこで一段と危虞を抱いたのは戦争の惨禍の最大の遺産である憲法九条をないがしろにする集団的自衛権の行使容認の安保関連法案を通そうとしている安倍政権の姿勢だ。

安倍晋三首相の安保関連法案をめぐる言語表現には唖然とさせられるものが少なくない。国会の質疑で「リスク」「レッテル貼り」といった用語を繰り返して、議論の中身をぼやかしている。民主党の辻元清美氏の質問に、冷笑して「早く質問しろ」とヤジる(審議を受ける側の行政の総帥が審議する側をヤジるとは、三権分立を軽視する権力意識丸出しではないか)。

さらに大多数の憲法学者が安保関連法案は違憲だと批判する状況となるや、日本を取り巻く国際情勢が厳しくなったのだから、それに対応した政策をとるのは「政治の責任だ」と言って、閣議決定の方を憲法より優先するかのように主張する。

私が特に注目したいのは、自衛隊員が攻撃を受けて死傷者が出るというリスクに関する説明だ。安倍首相は五月二十日の党首討論でこう述べた。「安全が確保されている場所で後方支援を行う。リスクとは関わりがない」

一旦戦争が始まると、ミサイルや砲弾が飛び交うのは最前線だけでは無い。後方の兵站を断つ事は、重要な戦術になる。そんな事は戦争のイロハだ。近隣国との戦闘が生じれば、それがどんな状況を日本各地にもたらすのかは、中東の戦争が見せつけてくれる。 中東、アフリカの子供たちに降りかかっている様子をテレビが報じているではないか。

安倍首相は戦争の現実を伏せて、観念的に「抑止力論」や「パワー・ポリティクス」の理論を振りかざしているのではないか。最近危惧を抱くのは、今日本をリードする戦争を知らない世代の、理屈と力で取り仕切ろうとする傾向だ。

先ごろ、元自民党の亀井静香氏(七八)、山崎拓氏(七八)、武村正義氏(八〇)、藤井裕久氏(八三)の四人が共同で記者会見し、歴代内閣で踏襲されてきた憲法解釈を変える安保関連法案は認めがたいと安倍政権を真っ向から批判したが、彼らは昭和戦前期に生まれ、戦争の時代に小中学生だった。戦争を知る世代には、たとえ保守派の政治家でも踏み越えてはならない一線を意識している人物が少なくない。

これに対して一九五四年(昭和二九)生まれの安倍首相を始め、岸田文雄外相と中谷元防衛相は共に五七年(昭和三二年)生まれなど、戦争を知らない世代が安保関連法案推進の中心になっている。

国民の命に関わる問題にもかかわらず、一国の総理大臣が「後方支援だからリスクは無い」とか「ポツダム宣言のそこのところはつまびらかに読んでいない」などと発言し平然としている背景には、高度成長期育ちの命へのリアルな感覚が希薄になった世代が支配層になっているという新しい時代状況があると私は分析している。 (後略)

いささか長い引用になったが、いま日本人にとって最も重要な課題であり、同感するところも多く、後世の参考とすべきものと思い、転記した。

政治の世界にとどまらず、最近では日本年金機構の記録流出事件を始め、東洋ゴム工業の免震ゴムデータ改ざん事件といい、天下の東芝といわれる一流企業での粉飾決算といい、信じられないような不祥事が頻発している。今まで考えてもみなかったことだが、こうしたことの背景にも高度成長期育ちの世代が、社会の指導者層を構成する時代の到来があるのかと思われる。

なお、今日の「みんなの広場」には「ヤジから見る安倍首相の人柄」との見出しで次の投書があった。

最近よく「政治家と人柄」について考える。安倍晋三首相の辻元清美民主党議員に対する「早く質問しろよ」のヤジも、その格好の対象となった。まず「一国の首相としてなんと失礼な品格のない」と思った。

辻元議員は複雑な表情で首相を凝視し、しばらく無言だった。この間、辻元議員は何を思っただろう。映像は人の表情、感情、その場の空気などを直に伝えてくる。私はこの時の首相のヤジと表情に、女性蔑視の響きを感じた。「女性が輝く社会に」と、首相は盛んに唱えるのだが。

世論調査で「人柄が信頼できる。信頼できない。」という項目をよく見る。これは意味ある項目だ。政治家がどのような人柄であるかによる政治内容、手法には、大きな違いがあると痛感する。
安倍首相、かなり負けん気が強く、対抗意識がある。首相在任中の対中国、韓国関係の好転は難しいとみる。安全保障法制が仮に成立した場合、運用において人柄がどう影響するか、考えただけでも恐ろしい

この投書にあるように安倍総理は負けん気が強い事は確かなようだ。しかしその負けん気は子どものようで、心の奥底に秘めた大人の闘志では無いようだ。

伝え聞くところでは、安倍総理には子供がいないとか。人間は親になって本当の大人になるものだというが、まさにその実例を見る思いがする。

大人なら、昨日の自民党若手議員が「マスコミから広告料収入をなくせ」などのあきれた発言があった不始末についても、党首として陳謝すべきところだが「責任は発言者にある」として素直に謝れず、総理としての器のなさを露呈している。やはり高度成長期に育った出来の悪いボンボンと言われても仕方がない。

(平成二十七年六月二十七日)

ramtha / 2015年12月6日