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「苦境に立つプーチン」

今朝の毎日新聞のコラム「経済観測」には、国際公共政策研究センター理事長・田中直毅氏の「広がるプーチン政権の動揺」と題する一文が掲載されている。

素人には、なかなか分かりにくいロシアの内部事情について教えられることが少なくない。忘れぬよう転記しておく。

ロシアのプーチン政権の前途は容易ではない。第一は原油安とルーブル安に歯止めがかからない点だ。中国株が大暴落した8月24日月曜日には1ドル70ルーブルの大台が割れた。昨年12月に一瞬80ルーブルをつけたが、今年5月中旬に49ルーブル台まで改善していた。

ここにきて再度ルーブル安により輸入食料の高騰から食卓の中身は劣化する。折しも8月のロシアでのテレビ放映ではクリミヤ編入以来の西側による経済制裁に対抗した輸入禁止措置の対象である豚肉、トマト、桃、チーズなどの密輸品の廃棄風景が映った。生唾を飲み込んで画面を見入った消費者の思いは複雑だったろう。

第二はロシア民衆のナショナリズムの高揚の終焉だ。独立系調査機関のレバタ・センターの世論調査は信頼度が高い。クリミヤ編入時の昨年3月はロシア人の在住するかつてのソ連邦傘下の地域への編入への賛成が58%に及んだが、一年後には34%にまで低下した。また64%のロシア人はかつてのソ連邦下の諸共和国に対するモスクワのコントロールに反対と回答するに至った。

8月下旬に入って巨大国有石油企業ロスレスチの投資計画が厳しく制限された。ロスネスチ社長に側近のセチンを指名したのはプーチンだ。二つの油田、ガス田、石油化学工場、造船所と言う五大投資プロジェクトを掲げ、国家投資ファンドからの融資を彼は要請してきたが、わずかに造船所だけが事前の船舶受注確保を条件に認められた。西側からの金融制裁は、それ以前のロスネスチの投資計画を軒並み廃案に追い込んだのだ。

直近でロシア鉄道の大立者のヤクーチンが社長解任の憂き目となった。セチンとても例外ではあるまい。しかしプーチン体制の再編があっても、政権の動揺は続く。

石油価格の下落については、アメリカが意図的にシェールガスの供給を拡大しているとも耳にしている。欧米の経済制裁を受けているロシアとしては、日本か中国に頼る外はないところだが、中国はロシアの弱みにつけ込んで恩着せがましく買い叩くのではなかろうか。

西側諸国の一員に名を連ねる日本としては、対中国の関係においても、北方領土返還交渉の意味からしても、ロシアに対して恩を売っておきたいところだ。日米同盟への影響を避けながら、なんとかしたいものである。安倍政権の外交手腕が問われる。

(平成二十七年九月一日)

ramtha / 2016年1月25日