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「日本人の劣化」

東芝の粉飾決算、旭化成建材のデータ改ざん等、日本を代表する一流企業の不祥事が、このところ連日マスコミを賑わしている。

ついこの頃まで、高度の技術と正確・緻密が日本に対する世界のイメージであり、日本企業の売り物ではなかったのか。どうしてこんなことが起こったのだろう。

天然資源に乏しいわが国は、原材料を輸入し、高度の技術で付加価値を施し、これを輸出して経済を成り立たせてきた。世界から信頼される付加価値が日本経済の基盤である。その信頼を失っては、日本は最貧国に転落することになる。

政治の世界でも小渕元通産相の政治資金会計処理の虚偽報告や賄賂まがいの政治献金を受け取る政治家は少なくない。
こうした汚職や不祥事は昔からあったことではあるが、大学教授の試験問題漏洩や中学校教諭の猥褻事件、警察官の窃盗などは、近年特に目に余るようになった気がする。どうしてだろう。

また、我が子を殺害したり、育児放棄する親も昔は耳にしなかったと思う。
どうも日本人の倫理道徳が近年急速に劣化しているのではないかと思われてならない。

原因は一つではなく、いろいろな要因が複雑に絡み合ってのことで、その究明は我々素人の手に負えるものでは無い。

ただ私が漠然と感じているのは、アメリカ式競争原理が取り入れられ、終身雇用が象徴する従来の日本型雇用形態が揺らぎ、人材派遣業が登場した頃からの現象ではないかということである。

私自身はすでに隠居の身となっており、労働現場でどのような雰囲気の変化があったのか体験していない。だからマスコミの伝えることや周辺の人の話から推測することに過ぎないが、私が現役の時の職場とは様変わりしているのではと思っている。

荒っぽい表現をすれば「人格ある従業員」が「業務処理機能」に置き換えられているということではないか。突き詰めて言えば、人格の喪失が日本人の劣化を招いた元凶ではなかろうか。

(平成二十七年十月三十一日)

ramtha / 2016年2月18日