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一月十三日 「日本人主婦の奮闘」

毎日新聞の今日のコラム「発信箱」は、ニューヨーク支局の草野和彦氏が「日本人のDNA」と題して次のような話題を載せている。

ニューヨーク市在住23年の佐竹敦子さん(49)は9年前、学校のカフェテリアを初めて見て仰天した。ゴミ箱には給食の食べ残しがトレーごと捨てられ、床も食べ物で汚れていたが、子供たちは無頓着だった。両親に教えられたモノを大事にする心。交代で当番し「いただきます」「ごちそうさま」の感謝の言葉を忘れなかった学校給食。「日本人が持つ『もったいない、ありがたい』のDNAが騒いだ」と言う。

ボランティアで子供も当番制によるゴミの分別と削減の活動を始めた。実家のあるさいたま市で学校給食の様子をビデオで撮影し、ニューヨーク市の幹部に見せたりもした。市内の公立学校は約1,800校、給食は一日186万食。リサイクルが困難な使い捨て発泡ポリスチレン製品のトレイを積み重ねると、エンパイアステートビル(381m)の8倍の高さに達すると言う。

佐竹さんは2012年から市内のNGO (非営利組織)に参加。堆肥化が可能な再生紙トレー導入の活動が本格化した。「コスト高で無理」と言う市当局にも粘り強く働きかけて。やがてニューヨークがシカゴなど他の大都市に呼びかけ、一括で安く購入できることに。昨年9月、6都市で一日計約230万食分の学校給食で「堆肥化トレー」の使用が始まった。

「日本で学んだことが米国でも役立ったことがうれしい」と佐竹さん。日米など先進国も対象に今年始まった、2030年までの国連の新開発目標には「食品廃棄物の半減」「廃棄物の排出量の大幅削減」もある。「もったいないのDNA」を世界中に広げ、目標を達成させたい。そんな思いを抱かせる佐竹さんの奮闘ぶりである。

市井の一主婦の資源節約の話題ではあるが、その行動力には頭が下がる。家庭の主婦であれば誰しも気づくことではあろうが、それを実行に移す事はそうそうできるものではない。まして異国の地で、なかなか腰を上げようとしない役人を相手に、粘り強く交渉してついには実現させるなど、普通は途中で投げ出すところを、最後までやり遂げられたことには感服の外はない。

外交の苦手なわが国にとっては、こうした民間人の外国での行動が日本人の、ひいては国の評価を高めることとなっているに違いないと思われる。

ramtha / 2016年4月8日