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二月一日 「ロシアの汚職」

昨日の毎日新聞にはロシアの汚職体質をアメリカの政府高官が批判しているという記事があった。ウクライナ問題の対応でロシア国内の支持率上昇と伝えられるプーチン政権への揺さぶり発言かとも思われるが、真偽の程は分からない。とかく軋(きし)みがちな米露関係だけにこの先どうなるか。とりあえず記録しておくことにする。

米政府高官がプーチン露政権の汚職体質を相次いで批判している。露側は強く反発しているが、ロシア国内の反体制派も政権中枢の疑惑を追求しており、今年九月の下院選へ向け汚職問題が争点の一つに浮上しつつある。
「プーチン氏は友人らに国有資産を分け与え、そうでない者は排除してきた。これは腐敗の構図だ」米財務省のスーピン次官代行(テロ・金融犯罪担当)は英BBCが一月下旬に放送した調査報道番組でこう指弾した。
BBCによると、米中央情報局(CIA)の二〇〇七年の報告書はプーチン氏の資産総額を四〇〇億ドル(約四兆八四五五億円)と推計。スーピン氏は、「彼は資産隠しの手法を身につけている」と指摘した。高官がプーチン氏の縁故主義や蓄財を名指しで批判するのは異例だ。

一方、イワノフ露大統領府長官は「たわ言にコメントはしない」と疑惑を否定したが、米国務省のトナー副報道官も「ロシア政府の全レベルにおける腐敗を懸念している」と追い打ちをかけた。米国には、腐敗疑惑を批判することでプーチン政権を牽制する意図があると見られる。プーチン政権中枢とその家族に関する告発が最近相次いでいる。

ロイター通信は昨年十一月、プーチン氏の次女カテリーナ氏(二九)と夫が計二〇億ドル(約二四二二億円)以上の資産を保有していると報道。著名な反政権ブロガー、ナバリヌイ氏のチームは同年十二月、チャイカ検事総長の息子二人に関する汚職疑惑をネットのドキュメンタリー動画で報じた。
ロシアは、昨年末改定した「国家安全保障戦略」でも汚職撲滅が掲げられるほどだ。プーチン政権は一月下旬に反汚職会議を開き、対策強化の方針を打ち出した。イワノフ長官は一万ルーブル(約一万五千円)以下の少額な贈収賄への罰則強化などを提案。多くの国民に直接影響する下級公務員の汚職阻止をアピールする狙いとみられる。

これを読んで感じたことを整理してみる。

① 日本でも、つい先日の甘利大臣の引責辞任のような政治家の汚職はしばしば話題になるが、習近平が摘発している中国首脳部の汚職やプーチンの資産に比べれば、そのスケールの小さいことは驚くばかりだ。だからと言って許されることではない。しかし民主主義国家でない中国やロシアでは巨額な収賄がまかり通るというのがよく分かる。

② ところでアメリカの大統領選挙では巨額の資金が投入されているようだが、あの金にまつわる汚職などという話は聞いたことがない。どうしてだろう。支持者がおおっびらに政治献金することについては何らの規制も無いのだろう。それがアメリカの自由尊重主義によるものではないかと考える。

③ そもそも反対給付を期待しない献金や寄付をするという風習は、欧米諸国に比べて日本では希薄なように思われる。どうしてだろう。
日本では進んで寺社に寄進したりまたは貧しい人に施しをする個人的な寄捨も無くはないが、多くは地域の有力者が発起人となり奉賀帳を回して浄財を集めるという方法が伝統的風習となっている。

④ 核家族化が進んだ今日では「隣は何をする人ぞ」で、こうしたことも無くなってしまったところが大半だろうが、私が現役の頃までは、奉賀帳が回って来れば、嫌々ながらでも、なにがしかの寄付を余儀なくされたし、また水害などで被災者が生じたとき、町内会で支援してはと思っても、平会員に過ぎない者が、自ら提案することは、差し出がましく見られるのではと、はばかられたものである。そのように、日本の庶民は長い間、周りの人の思惑を忖度しながら生活してきたことである。

⑤ ところが、東日本大震災以来、個人的に被災者の復興を支援するボランティアが活発になっているようだ。また、ところによっては、小学校や保育施設などに宛てて無名の寄付が寄せられることもメデイアを通じて幾度か伝えられている。こうしたことを耳にすると、良い意味で日本人も変わりつつあるのかなと思ったりする。

ramtha / 2016年5月16日