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四月二日 「格差是正は焦眉の急」

今日の毎日新聞にはベトナム簿記普及推進協議会理事長・大武健一郎氏が、「今こそ格差拡大の阻止を」と題して次のようなコラムを載せている。

ベトナムの歴史を見ると、七〇年に一度は中国から攻め込まれている。その理由として、七〇年経過することで戦争を実際に体験した世代が亡くなり、戦争を避けようとする力が弱まることがよく指摘される。だが、もうう一つ大きな理由として、七〇年間の社会構造の変化もある。貧富の差が固定化するなど社会の硬直化が進むことで、低所得層に不満がたまり、時に爆発も発生する。そして、こうした格差の固定化による閉塞状態から脱するために、人々は戦争に駆り立てられることになる。ベトナムの友人は私にそう説明してくれた。

第二次世界大戦が終わって七〇年が過ぎ、イスラム国(IS)による無差別テロが欧州で頻発するようになった。背景に、親の世代がアフリカから欧州に移住した移民二世の存在があると言われている。親世代が移民として文化の違いに悩みながら懸命に生きてきたのを間近に見てきた子世代は、なかなか貧しい生活から脱することができない現状にいらだちを募らせ、ISへの参加など過激な行動に共鳴していくようだ。

一方、超大国の米国でも、イスラム教徒の移民を敵視するトランプ候補が大統領選の共和党予備選で圧倒的な支持を得えている。民主党予備選では格差是正を訴えるサンダース候補がかなりの支持を得ている。こうした現象の根底にも、所得格差の固定化などアメリカ社会の抱える閉塞感があるようだ。

日本も一億総中流と言われた一九八〇年代までの右肩上がりの時代が終わり、世代を問わず、格差が拡大しつつある。世代間の格差も深刻化しており、「ものづくり力」などの日本の実力を発揮するためにも、今こそ格差拡大を阻止し、平和を維持するための努力が求められている。

ベトナムが70年毎に中国の攻撃を受けてきたとは知らなかった。昨年は第二次大戦から七〇年目。これで何事もなければ良いが、中国の南沙諸島進出をはじめ、ヨーロッパを標的とするテロなど、きな臭い匂いが世界中に漂っている。

またアメリカをはじめとして世界中で経済格差が深刻化していることも見逃せない。日本でも貧困層の増加が連日のようにマスコミで伝えられている。このまま放置すれば由々しきことになるのは明らかだ。政府はもとより財界も挙げて対策をしてもらいたいと切に願っている。

ramtha / 2016年6月27日