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四月十六日 「中国経済の動向」

今朝の毎日新聞には「製造業不振 沈む地方・堅調都市部 政策頼み」の見出しで中国経済の現状を次のようにレポートしている。

「我々は生きていかなければならない」。中国東北部に位置する黒竜江省。三月中旬、数千人もの炭鉱労働者が未払い賃金の支払いを求め、大規模なデモを繰り広げた。中国の国会に当る全国人民代表大会(全人代)で、同省の陸昊省長が「賃金未払いなどない」と発言。これが賃金未払いに苦しんできた労働者の怒りを買った。

豊富な天然資源と鉄鋼など有力な大手製造業を有し、中国の高成長の牽引役を担ってきた中国東北部。しかし、国内経済の減速が始まると、世界有数の生産設備は一転して「重荷」となった。需要より明らかに多い鋼板などの原材料が作られ続けた結果、世界の商品市況が下落。それが、さらに自らの業績悪化を招く悪循環に陥った。

東北地域の成長率鈍化は中国でも著しく、多くの労働者が賃金未払いや雇用の不安にさらされる。習近平指導部は収益力の低下した「ソンビ企業」の抜本的リストラを進める方針を打ち出しているが、一連の改革で職を失う人は六〇〇万人超とも言われ、中国経済を揺さぶり続けている。

しかし、北京、上海など大都市に目を移すと、その風景はがらりと変わる。製造業に代わり、中国GDPの五十%以上を稼ぎ出すようになった三次産業がいち早く成長した都市部では、所得水準が上がった市民の個人消費が堅調だ。それに政府の景気対策が拍車をかけている。

「この周辺の住宅価格は一平方メートル当たり四・五万元(約七七万円)だが、今年はもう六万元近い」。北京中心部の不動産会社は好景気に沸いている。政府は今年に入り、景気下支えのため住宅購入を促す対策を相次いで実施。人口流入が続く上、活用できる土地が残り少ない都市部の住宅価格は一気に跳ね上がった。

二月の新築住宅の平均価格は北京で前年比一割強、香港に隣接する深釧では六割近くもアップした。実態以上に需要が過熱する「バブル」の懸念も高まり、中国人民銀行(中央銀行)などは購入抑制策にかじを切ったが、別の不動産会社の担当者は「住宅価格が下がれば景気も下がる。政府が今後も梃(てこ)入れするから、住宅価格は上がり続けるよ」と意に介さない。

ただ、政府による景気の底上げはあくまで「カンフル剤」に過ぎない。成長が続くサービス、小売りなど三次産業も地方ではまだ力不足で、不振が続く製造業の落ち込みを補いきれるかは見通せないのが実情だ。

中国の経済発展に陰りが見られるという話は、一昨年頃から囁かれていたが、中国に関する情報にはさまざまなものがあり、真相がどこにあるのか確認しづらい。

日本の人口の十倍以上もある規模の経済活動は、中国当局でも正確に把握するのに苦労するのではと思われるし、また中国共産党が公表している数字も鵜呑みにはできないようであるから、この記事のように明暗いずれの風景も混在していると捉えるべきだろう。

習近平主席が就任以来、汚職摘発に力を入れているようであるが、党幹部が国営企業を掌握しているケースが多いそうだから、そのリストラは彼らの頑強な抵抗があり、容易なことではないと思われる。

最近の一部ニュースでは習近平の再任を阻止する動きもあるとか。それが本当なら、今は嵐の前の静かさで、次にはどんな大変動が起こるか分からない。隣国の庶民としては息を殺して見守るしか術がない。

ramtha / 2016年6月28日