筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

六月十一日 「子供の躾(しつけ)について」

最近は子供の躾に関するトラブルが、しばしば伝えられている。先日は北海道で悪戯(いたずら)を続ける小学生の子供を反省させようとして、父親が車から下ろして五分後に戻ってみたら、子供は居なくなり、探しても見つからず大騒ぎになった。結果は子供は近くの自衛隊宿舎に一人で寝泊まりして、数日後に保護され事なきを得たという事件があった。

これはともかくとして、躾と称して幼児をプラスチック製の容器に押し込んだり、中には躾とは言い訳としか思われない死亡事件などまで多発している。そもそも子供は何一つ分別(フンベツ)を持たずに生まれ、その後の社会生活の中で物事の是非善悪を身につけていくものである。日常子供の行為について年長者が言い聞かせるのを通常は躾と言われているが、自分の行動を具体的に批判されることは本人にとっては不愉快なことで、躾の効果は薄いのが実情である。むしろ他人から指摘されるのではなく、他人の行動を見て、その善し悪しを自分自ら判断し会得(エトク)することの方が身につくものである。

「親の背を見て子は育つ」と言われるように、日常の些細な親の行動や周囲の生活環境から自ら学び取ることが極めて多く、それが本当の躾となる。躾の良い子の家庭では、親は何一つ言って聞かせることがない場合が多い。親が真面(まとも)な生活をしていれば、子供が非行に走ることなど無いというのが世の常である。新聞紙上に報じられる犯罪者や非行児童の家庭の大半は親が居ない、片親か、両親があっても仕事に忙しく、一家団欒などしたことが無いという家庭のようである。

そのような家庭崩壊の原因はいろいろあることだろうが、最大の要因は貧困にある。不正規労働者が全労働者の半数に及ぶと言われる日本の現状は異様としか言いようがない。

今朝の毎日新聞には、ハローワークの相談員自身が期間契約従業員と報じられて居たのには呆れ果てた。安倍総理よ、「一億総活躍社会」のスローガンは良いとして、まずこの現実を直視してもらいたい。

ramtha / 2016年7月4日