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七月二三日 「選挙の他に方法は無いか」

今年は参議院選挙があり、来週には東京都都知事選挙、秋には自民党総裁選挙が予定されている。以上のような目ぼしいものの他、民進党の代表選挙や各地方の選挙など、無数の選挙があるようだ。民主主義の世の中では重要な公職の人事は、有権者の投票による選挙で決められることになっている。

現代の先進国の大半は民主主義体制となっているが、世界各地にはさまざまな政治形態の国があるようだ。

ところで、参考のため政治形態とそれに関連する語句について、その主なものに関して、広辞苑の説明を見ておく。

独裁政治=(dictatorship)単独者・少数支配者・支配的党派が、集中化された権力機構を通し て大衆を操作・動員しつつ行う専断的政治。
一般に法治主義と政治的自由を否定する。古代口ーマのコンスルによる執政・ドイツのナチズム・イタリアのファシズムはその典型。

専制政治=(desputism)支配者層と被支配者層とが身分的に区別されていた前近代社会において、身分的支配者層が行なった統治。大衆の参加を前提とした独裁政治とは異なる。近世初頭の君主制に顕著。

民主主義=(democracy)語源はギリシャ語のdemkratisで、demos(人民)とkratia(権力)とを結合したもの。権力は人民に由来し、権力を人民が行使するものという考えとその形態。古代ギリシャの都市国家に行なわれたものを初めとし、近世に至って市民革命を起こした欧米諸国に勃興。基本的人権・自由権・平等権あるいは多数決原理・法治主義がその主たる属性であり、また、その実現が要請される。

選挙=①多人数の中から投票などにより適任者を選び出す事。②選挙権を有する者が全国または、一定区域において一定数の議員・都府県知事・市町村長のような公職につく者を投票によって選定する行為。

大衆デモクラシー=(mass democracy)大衆社会において成立する民主主義。大衆の政治参加が拡大し、大衆の自発性が政治に反映する側面と、権威的な政治指導によって大衆操作が行なわれやすい側面がある。

大雑把に言えば、人類は一握りの権力者が民衆を統治する政治から、民衆を主権者とする民主主義へと進んで来たということのようだが、まだまだ中国のような一党独裁の国も存在している。

ところで民主主義の実現には、国民の意見を集約するための国民投票が欠かせない。古代ギリシャの都市国家ぐらいの規模であれば、政治案件ごとにその都度、国民投票をすることも可能であるが、近代先進国のような規模ともなると、政治経済の仕組みも複雑で、その度に国民投票というわけにもいかない。そこで政治を専門とする者に問題解決の討議・採決を委任することになる。

日本では国の問題は国会議員に、地方自治体の問題は市町村議員がこれに当たるが、その適任者はそれぞれ有権者の投票によって選挙をして決められる。
問題はこの選挙が政治家として適任者を選ぶ方法として最適かどうかということである。

欧米諸国の実情は知らないが、日本では先頃の舛添東京都知事のような例もあり、国会議員や市町村会議員の中にも、議員としての勤めを真面目にしているのか、首を傾げたくなる者が少なくない。ことにテレビが全ての家庭に普及するようになってからは、コマーシャル出演者やお笑い芸人など、テレビの露出度の多い者が選ばれることが少なくない。

本来は国会や市町村会は行政機関の業務執行に誤りが無いか、行過ぎはないかを監視し、これを正すことを任務としている。それには、それに相応しい知識・見識を備えていなければならない。にも拘らず、選挙ではテレビ出演の多い者や、業界や労働組合などの組織をバックに、まったくの素人が議員として選ばれることがしばしば見られる。

こう考えてくると、議員の選出には、今の選挙によるより、もっと良い方法はないかと思われる。しかし、誰がどのようにして選ぶかとなると、名案はなかなか浮かばない。選挙制度を採用している先進諸国でも、この問題では頭を悩ましながらも、未だに改正し得ないで居るところをみると、選挙制度に代わる方法を考え出すことは至難の業であるらしい。しかし、このまま放置すれば議会制度そのものが疲労腐敗し、政治に不満を持つ若者をテロに走らせることになることは必死ではないか。私はそれを恐れている。

ramtha / 2016年8月20日