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八月十三日 「暗闇で見る力」

今朝の毎日新聞には、専門編集委員の青山由利女史が「暗闇で見る力」と題して次のような論説を載せている。

世界の三分の一の人が天の川を見ることができない。なぜなら、人工の光で夜空が明る過ぎるから。先ごろ国際チームが公表した調査結果は驚きだったが、中でもぴっくりしたのは、「光害世界一」と名指しされたシンガポールの実情だ。全国民が明るい夜空の下で暮らしているので、暗闇でモノを見る仕組み「暗順応」がきちんと働かないほどという。

確かに、都市化された小さな国土というイメージはあるが、そこまでとは。クウェートやカタールも同じような状況にあるらしい。

明るいところから急に暗い場所に行くと、何も見えなくなるが、しばらくすると見えるようになる。これが暗順応で、網膜にある桿体(カンタイ)と呼ばれる細胞が「暗視」の役割を担っている。一方明るいところでものを見る時に働くのが錐体(スイタイ)細胞。二つの細胞が補いあって私たちはうまく暮らしている。日ごろは当たり前と思って気にも留めていない仕組みだ。

だが、ここには哺乳類繁栄の秘密が隠されているらしい。米国などの研究チームが先日論文誌に公表した研究結果によれば、シナリオは次のようになる。

恐竜が闊歩していた一億数千万年前のジーフ紀、哺乳類の祖先は錐体しか持っていなかった。だから日中しか食べ物を探せないが、それでは恐竜に襲われてしまう。
そこで、錐体細胞をちょっと変化させて「暗視」用の桿体細胞を進化させた。その結果、夜でも活動できるようになり、恐竜から逃れて繁栄した、という筋書きだ。

もちろん、進化は目的を持っていないので、たまたま「暗視」細胞を持つようになった哺乳類が生き延びて増えた、という話。なるほど、そう聞けば私たちもこの仕組みに感謝しなくては。そして、たまにはその恩恵をゆっくり味わいたい。
夏休みシーズンにピッタリなのは星空観測だろう。毎年恒例のペルセウス星座群は十二日夜が極大だったが、今夜から明日未明にかけても楽しめるはず。各地で、夏の星座や惑星、それに天の川を探してみるのもよさそうだ。前述の光害調査によれば日本でも暗順応が働かないほど明るい夜空の下に暮らす人が三割いるが、天の川の見える場所はそれなりに残されている。

星空を楽しみつつ、遠い昔に私たちの祖先が手に入れた「暗闇で見る力」に思いをはせる。オリンピック観戦だけで夏の夜を過ごすのはもったいない。

これを読んで感じたと。考えたことを書き留める。

① 私は幼児の時から近眼であった。「今夜は三日月がとても奇麗だよ」という亡母の誘いで夜空を見上げたが、私には三日月形の月が幾つも重なり合って、ちっとも美しいとは感じなかった。それで近眼であることが判明。翌日、早速眼鏡を買ってもらい、初めて三日月の美しさを知った。

② それ以来眼鏡は体の一部となり、寝るときも枕元に必ず置く習慣となった。トイレに起きるときも踏み割ることのないよう先ず手に持つことも、無意識の内に習慣となってしまった。

③ 困ったのが軍隊入隊時である。軍隊ではどのような事故が起こるか分からない。壊れたからといって、すぐ眼鏡屋に走ることもできない。そこで予備の眼鏡を二つ持って入隊したが、終戦時はかけている眼鏡一つになっていた。

④ 入隊して一番困ったのは、ガスマスクを被っての演習である。ガスマスクを被ると自分の呼気で眼鏡がたちまち曇って前が見えない。かといって眼鏡を外せばなお見えない。しかし演習だから回りにガスはない。そこで顔とマスクの間に隙間を作って誤魔化したが、実戦に参加することが無かったのは幸いであった。

⑤ そんなことで、美しい夜空を見上げることは、これまで無かったようだが、人生の見納めに青山女史の勧めに従って、今夜は、夏晴れ続きの夜空を見上げることにしよう。

ramtha / 2016年8月21日