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九月二十二日 「彼岸は?」

今日は秋分の日である。俗に「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるお彼岸の中日で、日の出から日没までの時間が十二時間となることと、「彼岸」は仏教用語で、祖先の墓参りをすることは知っていたが、さて、「彼岸」とは何かと孫から聞かれても、無宗教の私には説明できない。

そこで取り敢えず机上の広辞苑を開いてみる。そこには次のように説明されていた。

【彼岸】
①河の向こう岸。生死の海を渡って到達する終局・理想・悟りの世界。涅槃(ネハン)。
②彼岸会(ヒガンエ)の略。
③春分・秋分の日を中日として、その前後七日間。俳諧では特に春の彼岸をいう。

【彼岸会】
彼岸の七日間に行なう仏事。平安初期から朝廷で行なわれ、江戸時代には庶民の間に年中行事化した。

【此岸(シガン)】
涅槃の世界を彼岸というのに対して、こちらの岸。生死を繰り返す迷いのこの世界。

ところで「彼岸」の彼(かれ)は、日常、第三者を意味する指示代名詞として頻繁に使われているが、原義は何だろう。

白河先生の「字統」によれば、代名詞はもとその字はなく、他の字を仮借して用いる。「彼」も「此」に対する遠称に用いられる仮借という。しかし、何故「彼」が遠称に用いられたのか分からない。そこで「彼」を解字してみる。

彼は、彳と皮の組み合わせで出来ている。藤堂先生の「漢字源」によれば、彳(テキ)は、十字路の姿を描いた「行」の左半分で、行進や道路を表わす記号として、・往・従・径(近道)などの字に用いられるという。

(注)「行」の甲骨文字は次のように書かれている。

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ところで、獣の手や足はその形を描くことが出来るが、皮は形として描くことができない。漢字を作った古代の人々も、これには苦心したに違いない。試行錯誤の挙げ
句、辿り着いたのが、獣の皮を手で剥ぎ取る動作を描くことで、皮そのものを表わす会意文字だったと言うことだろう。その金文文字は(%e7%9a%ae%e3%80%80%e9%87%91%e6%96%87%e6%96%87%e5%ad%97)のように書かれている。
従って、彳も皮も、離れる・離れた意味を含んでいることから「彼」は、「此」が近称に使われるのに対して、遠称の代名詞に用いられたのだろう。

ramtha / 2016年10月5日