筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

四、相槌(アイヅチ)

私たちの回りには、座談の中心になって喋りまくる人も居れば、誰にでも気軽く話をさせる聞き上手も居る。

聞き上手な人は、自分に興味の無い話でも、相手の話に相槌をしながら熱心に聞いているとしか思えないこともしばしばある。
麻生産業本社労働部に勤務して居たときは、仕事柄小林課長・木庭課長代理と言った方々と侃々諤々(カンカン=剛直なさま)議論を闘わすことがしばしばあったが、労働部長の熊谷さんはみんなの話を聞いて居るばかりで、ご自分の意見を述べられることはあまり無かった。

熊谷さんには誰でもが話かけやすい雰囲気を纏って居られたのか、吉鹿常務・柳重役など重役さん方をはじめ、労働組合の幹部連中まで何くれとなく相談に来ていた。

みなさんは熊谷さんから知恵を借りるというわけでもなく、話を聞いて貰うだけで、気が休まるというのが殆どであったかと思われるが、熊谷さんは時折相槌を打つぐらいのことで、まことに不思議なことであった。

相槌(あいづち)の語源は、鍛冶屋の親方と弟子が向かい合って交互に槌を打ち下ろすことで、お互いの呼吸を合わせることが何より大事な作業である。其処から相手の話に調子をあわせることを「相槌を打つ」という。

相槌はそれを打つタイミングが重要で、人が珍しいものを見たのか、急(せ)き込んで話しかけてきたのだから、こちらは忙しい最中でも聞いてやらずばなるまいなど、お義理で相槌を打ったりすると、タイミングはずれとなり、相手を白けさせることともなりかねない。

しかし聞き上手な人が自分の話に相槌をうってくれたからといって、こちらの意見に賛同してくれたということにはならない。日本人の会話では、相槌はその場の雰囲気をスムースに進行させる促進剤に過ぎない時もあることを心がけておくことが必要である。

ramtha / 2017年7月16日