症状の経過

10月頃からの腰痛と座骨神経痛が起き始め近隣の病院、整骨院、鍼治療、民間療法とありとあらゆる治療を受けてきたとのことです。当方へ来られたのが７月でしたから、９ヶ月間に亘ってつらい痛みを抱えておられたという事になります。

仕事も1ヶ月間休んだりしたが一向に改善せず、国立病院では椎間板ヘルニアという診断で牽引と痛み止めの治療を続けていたのですが、6月終わり頃から痛みが激しくなり、日常生活にも不自由をするようになったというつらい状態です。

施術

問診では

• 朝起きたときが特に痛みが酷い。
• 車に乗ったあと、20～30分激しく痛む。
• 会議などでじっと座っている状態がつらく、お尻から膝裏まで強く痛む。

と言うことだった。

車に乗る状態も椅子に腰掛ける状態も股関節を屈曲させているので、腸腰筋や小臀筋の反射部など、身体前面の短縮痛を疑って施術を始めました。しかし、これと言った圧痛点が少なく、施術後の感じもさほど変化が見られません。

そこでもう一度問診時の内容を検討して「膝裏まで痛む」という点を詳しく聞いてみると、腰掛けた状態が続くと腰から臀部が痛み、さらに膝裏が強く痛み出すということです。膝を伸ばすと少しだけ楽になるので、会議などでは目立たないように膝を伸ばしているとのこと。

そこで膝裏から座骨結節までのハムストリング筋をチェックしますと広い範囲で強い圧痛がみられました。特に膝裏の腱にも強いしこりがあり、
膝の屈曲位が膝裏の筋腱の短縮痛を起こし、それが引き金となって臀部の疼痛が増したと考えられます。

前期のＹさんと似たタイプの腰痛です。

図は 『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用

これらをゆっくりと緩め、膝裏のトリガーポイントと座骨結節部のトリガーポイントを緩めると、「スッキリしました^^」という感想でした。