筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

腰痛と思い込み

 腰痛で整形外科を受診し、「椎間板ヘルニア」「脊椎すべり症」「脊椎分離症」「椎間狭小」などの診断を受けている方が多くおられます。そのような方々は、エクササイズで身体を動かす事自体に不安を持っておられますし、「これらの症状が治らない限り腰痛は治らない」という思い込みをされている事が多いのです。

 ところが、腰痛のない健常者でも、大きなヘルニアや脊椎の分離が見つかったり、痛みの原因だとされていたヘルニアが治っていないのに腰痛が治ってしまうこと等があり、症状の85%はMRIなどの理学所見と一致しないこと、そして、構造的な異常は年をとって行くのに比例して見つかるのに、腰痛はいわゆる社会的な責任世代と言われる、20代~50代に多い事が分かっています。つまり腰痛や肩こりなどの筋骨格系疾患は、構造的な問題ではなく、心理社会的な要因が強く働いているという事です。このような事を理論体系化したものを「TMS理論」と言います。

 この点についての詳細は、「TMS理論」を紹介しています「TMS-JAPAN」のサイトをご覧下さい。

 TMS-JAPAN⇒

 上記のような診断を受けた方は、ご自分の腰に常に不安を持っており、その不安が痛みを強化、持続させている側面があります。そこで、ラムサでは、入会時に上記のような診断を受けておられると分かった方には、「思い込み解除」のアドバイスをしています。そのことによってエクササイズへ安心して取り組む事ができ、同時に痛みや症状へのこだわりの解除が促進されます。

 先日トリガーポイント・エクササイズに腰痛がつらく、自力整体で治したいという方が、体験入学に来られました。「私は脊椎分離症なのですが、このような整体運動をしても大丈夫でしょうか?」と不安そうに訊かれるので、詳しくお話を伺うと、11年前に腰痛がひどくなり、整形外科を受診したら「脊椎分離症」だと診断され、それ以来11年間腰痛に悩まされているとの事でした。

 「TMS理論」の内容を簡単にご説明し、『分離症と腰痛は関係がありませんので、今日は「分離症」を忘れて身体を動かしてみて下さい。』とアドバイスしました。 70分程ワークに取り組まれた後、「自力整体中、腰の痛みは如何でしたか?」とお尋ねしたところ、「腰が痛むどころか、スッキリしました」とのお返事でした。

 それから、週に1度教室に参加され、3週間が経過していますが、それ以来、11年間悩まされた腰痛はまったく無くなっています。現在は健康維持の為にエクササイズに取り組まれています。

 参考書籍:ジョン・E・サーノ著「ヒーリング・バック・ペイン」
                「心はなぜ腰痛を選ぶのか」
      長谷川淳史著    「腰痛は怒りである」    
      A・アドラー著   「人はなぜ神経症になるのか」
      夏樹静子著     「椅子が怖い」
                「心療内科を訪ねて」

腰痛は<怒り>である 普及版
腰痛は<怒り>である 普及版

長谷川 淳史サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療

サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療
ジョン・E. サーノ, John E. Sarno, 浅田 仁子, 長谷川 淳史

ramtha / 2005年12月31日