筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

治療医学の問題点

治療医学の問題点

 病院へ行くと、老年の方々が、まるで通勤でもしているかのように通院され、何種類もの薬をもらって帰って行かれるのを見ます。薬はあくまでもつらい症状を一時的に緩和する為のものなのに、薬で症状が治まれば、病気が治ったという誤った認識がなされているからでしょう。

 症状は治まっても、その症状をもたらしていた原因そのものが治ったということにはなりません。その為、その症状は治まっても、手を変え品を変え、別の様々な症状をもたらす事になります。

 この一見つらいと思われる、痛み、痒み、発熱、下痢といった症状は、多くの場合、生体の治癒反応として起きていることが多いのです。つまりつらい症状を抑えると言うことは、生体の治癒の過程を中断させてしまうことになる場合があると言うことです。

 その典型的な例として近年話題となったのが、大腸菌O-157が流行したときに、下痢の症状に対して下痢止めを処方した例です。下痢止めを処方された患者さんは治癒が長引いたのです。

 そこで私たちが考えなければならないのは、症状を抑えることを目的とするのではなく、治癒反応として起きてくる症状をうまくコントロールしながら、その反応をもたらしている原因を正して行くことを目的とすることです。ところが、原因を究明して行く医学の進歩よりも、症状を抑える薬学の進歩の方がはるかに速い為、薬はより効果的につらい症状を抑えるようになってきます。そしてそのことが、原因を追及し、その原因を正して行くという本道を見失わせて行っています。

 アメリカで評判の医師用教科書『ドクターズルール』には次のような事が書いてあります。

①可能ならばすべての薬を中止せよ。不可能なら出来るだけ多くの薬を中止せよ。
②薬の数が増えれば副作用の可能性はネズミ算的に増える。
③4種類以上の薬を飲んでいる患者は医学知識の及ばぬ危険な領域にいる。
④高齢者のほとんどは薬を中止すると体調が良くなる。

 さらに私たちの心と身体は一体である為、原因を正して行くには、身体だけの問題ではなく、心の面にも目を向けなければなりません。広い意味で言えば、心が関係していない病気は無いと言えますし、私たちが経験する病気のほとんどがストレス関連症状です。多くのストレス要因を抱えている現代社会では、原因を正して行く中で、自分の心と向き合うことが不可欠だと思われます。

 多くの研究が、否定的な感情は病状や症状を悪化させ、肯定的な感情は病状や症状を緩和すると指摘しています。特に痛みやしびれと言った症状は、不安や恐怖を抱けば抱くほど、注意を集中すればするほど強くなります。つらい症状もそれが治癒の反応だと考えれば、気持ちがずいぶん変わり、治癒反応が促進されることになります。自分の心と向き合いながら、建設的に心身のあり方を正して行きたいものです。

参考書籍 クリフトン・K. ミーダー著
        「ドクターズルール425―医師の心得集」
        「ドクターズルール238―医師の心得集(第2集)」
     安保徹著  「医療が病をつくる」
     磯部潮著  「体にあらわれる心の病気」
     夏樹静子著 「心療内科を訪ねて」 
     ジョン・E・サーノ著
           「ヒーリングバックペイン」
           「心はなぜ腰痛を選ぶのか」
     長谷川淳史著「腰痛は怒りである」    

ramtha / 2005年12月31日